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「らんだむダンジョン」ゲームレビュー

 まえおき 


(今回の記事は「らんだむダンジョンVer.1.41」の内容を元に執筆しています)

今回の不定期連載フリゲレビューは「らんだむダンジョン」(以下らんダンと表記)
をお届けします。

色々とうわさには聞いてましたが、全部振り返ってみてここまで凄いとは
全く想像できませんでした。
アイテム・マップ・ボス戦・シナリオ。
RPGを構成する要素は数あれど、そのどれもが壮絶なボリュームです。
中でもアイテム数が半端じゃありません。

Ver1.41で武器・防具・アイテム総数が約千種類。
これはもう大量とか、多数とかという言葉じゃ片付けられません。
お び た だ し い (ほめ言葉)
この一言に尽きると思います。

でもちょっと待ってください。
確かに少ないよりは多いほうが楽しいとは思うのですが、そこまでの総数は必要だったんでしょうか?
多すぎるアイテム数は、プレイヤーを困惑させる原因とならないのでしょうか?
アイテムの総数は、ゲームの面白さに直結するのでしょうか?

あくまでもらんダンに限った話になりますが。
答えはすべてYESです。

では、例によってストーリーには関与しない形でレビューしてみたいと思いますので、
了承いただける方のみ続きを読むからお楽しみください。
(今回、文章量が若干多いです)

らんダン_タイトル

↑ クリックすると、Vector内のらんだむダンジョンのページに遷移します



 宝箱を開ける魅力 


らんダンは、ダンジョンハックゲームです。
「そのダンジョンの一番強いボスを倒す」という目的がありまして、敵と戦いレベルを上げ転がっている宝箱をあけて、ピンチになったら拠点に戻って宿を取ります。

タイトルからローグライクゲームを連想させますが、マップは固定です。
「入るたびに形が変わる」ダンジョンではありません。
では何がランダムなのかというと、階を降りた次ステージのマップがランダムに
切り替わります。それと、ダンジョン内の宝箱の数・質・内容がランダムです。
(宝箱はダンジョンを降りた階層と主人公レベルの影響を受けます)

宝箱の数は、序盤で1MAPあたり20~30個程でしょうか。
初めてダンジョンに入ると、まず転がっている宝箱の数の多さに驚きます。
宝箱は6種類の色がついていて、色によって入ってるアイテムに影響を与えます。
ありふれた色(赤色)の宝箱ならレアリティの低いアイテムが、
珍しい色(金色)なら激レアのアイテムが出やすくなります。
(ただし、どんな色からでも激レアが出る可能性はあります)


らんダン_宝箱

↑ 宝箱だけのマップもあります。
いわゆるボーナスステージですね。
敵も出現しないので安全に大量の宝箱を回収できます



レアアイテムはアイコンとアイテム名の間に*や*や☆などの記号で表記され、
そのアイテムのレア度がどれほどか一目で把握できるように配慮されています。
☆などのレア度の高いアイテムで固めると、ちょっとした優越感に浸れるので、
些細な事ですがこういった配慮は嬉しいですね。
そして新しい武器・防具を装備して、能力変化や効果に一喜一憂するのは、
RPGならではの楽しみ方だと思います。
武器に固有の必殺技なんかついていたりしたら、早速ザコ敵捕まえて
試し切りしちゃいますよね?

宝箱を開けて中に何が入っているかワクワクする楽しみや、ありふれた宝箱から
レアが出たときの興奮、激レアアイテムに遭遇したときの熱狂がここにあります。
他ゲームに比べてアイテムの数が圧倒的に多いので、楽しめる幅も広がっています。

らんダン、アイテムに纏わる面白さ其の壱です。


 アイテムを鑑賞する魅力 


RPGでアイテム欄に出てくる解説ってありますよね。
何気に製作者のセンスや視点を伺えるので、解説を楽しみにしている人って
結構いらっしゃると思うんですよ。
私も結構好きな方なので自作ゲームで実践してみたら、30個のアイテムに
2行程度の解説をつけただけでお腹一杯になってしまいました(笑)

そこにきてこのらんダンはどうかというと、解説に1画面丸々使っています。
中には「種シリーズ」とか4、5行で終わってるアイテムもありますが、
多くのアイテムが1画面丸々解説されているのです。

・・・・・・いえね、5個や10個程度なら誰でも出来るんですよ。
でもそれを質を保ったまま1000個に渡ってやり遂げているんだから、これはもう
ただただ感服するばかり・・・・・・。

解説画面にはアイテムの能力的効果も詳しく表記されていますので、
詳細を確認しながら装備を整え、装備を整えながら解説を確認できます。

しかも、その解説がどれも面白くて親しみやすい。
背景には神話や童話、逸話などをよく取り入れられていて読んでて発見があり、
ネタ・ギャグも大いに加えられ思わずニヤニヤしてしまいます。
あるアイテムでは感心しきりだったのに、次の解説に行ったとたんニヤけてしまう。
そこには溢れんばかりの発想と、豊かな文章力に裏打ちされた面白さがあります。

らんダン、アイテムに纏わる面白さ其の弐です。


らんダン_アイテム解説

↑ 最初期に入手できる何の変哲もない皮のムチですら、この有様です


 アイテムを持ち帰る魅力 


特定アイテムを入手後に宿に泊まると、パーティキャラによるアイテムをネタにした
寸劇(コント)が始まる事があります。
当レビューは演出やストーリーには触れないのであっさり書きますが、
いやこれが格段に面白い!

最初はクスッと笑わされたつもりが、だんだん進行と共に盛大に
笑うようになっちゃうでしょう。
そして、笑った回数とそのキャラクタに対する感情移入は比例します。
ゲラゲラ笑うようになったら、残念ながらおしまいですね。
アナンタ達一行にどっぷりと感情移入してしまっているので、
途中でゲームを放棄することは極めて難しいことでしょう。

またこの寸劇自体が、イベントでのフリや伏線になっている事もあります。
イベントは特定条件(特定アイテムの所持やレベル、進行度など)で発動しますが、
イベント自体はシリアスな内容が多いです。

ギャグとシリアスが渾然一体となった時、どんな効果が生まれるか。
皆さん大体予想できますよね?
そう、寸劇であんなにおバカなフリを装っておいて、いざイベントでこんなに熱く
かっこよく決められたら、誰がこいつらの事を嫌いになれるというのでしょうか。
はっきり言ってずるいです!

すでに紹介した「シルフェイド幻想譚」「Ruina」も顕著ではありますが、
らんダンのギャップの相乗効果は相当な破壊力があります。
キャラクター設定に即した台詞は、文脈がキャラのらしさを的確に表現していますし、
尺の長いゲームですがそれが少しもブレる事がありません。
キャラチップを使った画面演出にも細やかな指定が施されているので、
これまた見ていて飽きることがありません。

こいつらは、今回どんな寸劇を演じてくれるんだろう。
今回の寸劇は、どんな笑いで楽しませてくれるのだろう。
新アイテムを入手して持ち帰る度に、そんな期待が胸いっぱいに広がり始めるのです。

入手アイテムによって変化する寸劇の期待感と、緩急のついたギャグとシリアスを
巧みに操るストーリーテイリング・演出がすばらしい。
らんダンアイテムにまつわる面白さ、其の参にしてここが最強のポイントです。


らんダン_コント

↑ ダンジョン内の取っても復活する宝箱は、一体誰が用意しているのか、という質問にパーティの知恵袋(?)がズバリお答えします


 らんダンの戦闘 


とまぁアイテムを得るごとに楽しみが増えるのが特徴的なのですが、
アイテム集めに終始するだけのゲームではありません。
このゲーム、ボス戦が白熱します。

戦闘システムはさほどオリジナルな箇所がなく、ほぼ従来のシステムそのまんまです。
新しい箇所としては二つ。
敵にダメージを与えたり与えられたりするとメーターが溜まって行きます。
満タンでアイテム固有の必殺技(OD技と言います)が使える点が一つ。
特定アイテムを所持して一定数敵を倒すと、固有スキルを習得できるという二つです。
(すべてのアイテムがOD技や固有スキルを持っているわけではありません)

正直なところ、デフォルトの戦闘なんて面白さがたかが知れているんですよ。
敵の攻撃パターン観察して、攻撃属性に強い防具をそろえて、敵の弱い武器をそろえて戦いに挑む。
その辺は一緒なんですが、らんダンのボス戦は特に面白かった。

戦うか回復するか、攻撃魔法で一気に行くか強化・弱体魔法でじわり詰めていくのか。
OD技で一か八かの勝負に行くのか、もう一ターン立て直してから仕掛けるべきか。
戦闘の度に悩ましい局面がいくつもあって、RPGの戦闘の楽しさを満喫できました。
コマンドを選ぶときのジレンマや、ぎりぎり打ち倒したときの興奮とカタルシス。
コンピュータRPGの面白さの肝が、如何なく発揮されているといえましょう。


らんダン_ボスアドバイス

↑ 殆どのボスキャラは、事前にヒントをもらえます。対策や行動パターンを確認するために1戦闘を犠牲にしなくて済みます


その理由に、ボスの戦闘パターンのバリエーションの豊富さがあげられると思います。
あるボスは、敵味方の攻撃力を大いに上げられ精神力を0に下げられます。
精神力の高いキャラも、有無を言わさず肉弾戦を強いられる事になります。
とあるボスは時空を操ってターンを飛ばし、PCは何も操作することができません。
HPがある程度削れると、がらっと攻撃パターンを変えるボスも居たりします。

戦闘パターンのアイデアをひねるのはもちろんの事。
それをスリリングな勝負にさせる調整まで含めて、なんとも気の遠くなるような積み重ね
だろうなと、プレイしながら実感していました。
なんだ、やり方と調整しだいでは既存のシステムでも十分に面白い戦闘を
提供できるじゃないか。
既存のシステムはもう頭打ちなんじゃないかと思っていた私には、目から鱗でした。

装備をそろえるにしても、OD技のついている装備にするか能力補正の高い装備に
するか、悩みどころ・楽しみどころは多々あります。
宝箱からでる装備はランダムのため、その時点では属性効果の高いアイテムを
揃えきれず、魔法でのリカバリに頭をひねる、なんて局面もあるかもしれません。
また戦闘が面白いと言うことは、選択できる戦術として効果的な魔法やスキルを、
きちんと用意・調整している証明にもなります。
そうでなければ、あれほど程よいジレンマは生まれなかった事でしょう。

そんな個性・バリエーションあふれるボス戦が、表ダンジョンだけで約40体!
前半部は力押しでもさっくり倒せる難易度ですが、中盤以降が特に熱いです。


らんだん_戦闘2


↑ ボスによっては、対策をあれこれ掛け合う事もあります。もちろんヒントにもなっています


ただし、必ず倒さなければいけないボスの数は少ないです。
進行をふさいでいたり主要イベントのフラグになっている敵を除けば、
無理に倒さなくてもかまいません。
しかし、賞金首になっているボスを倒すと褒章金がもらえます。
すべてのボスは、他では手に入らない固有のレアアイテムを所持しています。
新しくアイテムを入手した時の喜びは既に説明しましたので、どんなボスでも
スルーせずに戦う意欲が湧いてきます。
結果、その戦闘にやっぱり白熱してしまう。
戦闘だけの話ではありませんが、この好循環が、らんダンの飽くなき面白さです。

さらにボス戦は規定レベルが設けられていて、それよりも低いレベルで倒すと
経験値ボーナスとレア色の宝箱を何点かもらえます。
ちょっと慣れてくると、規定レベル以下で挑みたくなってくるのは人情でしょう。
そういったハイレベルチャレンジをちゃんと用意してくれているのも好印象でした。

そうそう、つい飛ばしてしまう箇所ですが、戦闘中の文章も何気に笑える
内容があったりします。
(特にOD技のはちゃめちゃっぷりは特筆すべきものがあります)


 その他の魅力 


とまぁらんダンの魅力を綴ってきましたが、魅力はまだあります。
たとえば半ランダムなダンジョン。
ローグライクのような完全ランダムダンジョンは、プレイのたびに新しい構造の
ダンジョンに挑戦できますが、当然階段の位置もばらばらになります。

このゲームでは、階下に降りるほど経験値ボーナスや敵の強さ、宝箱の質に
補正がかかるので通常時はとにかくサクサク階下に降りたいわけです。
らんダンは半ランダムのためどのマップが来るかは不定ですが、
階段の位置は決まっています。
つまり、一度通ったマップならすいすい階下に下りることに専念できるのです。
完全ランダムダンジョンではプレイアビリティが下がってしまい、あまり重要ではない
部分により多くの時間をかける事になったことでしょう。

ただしこの方法では、ありていのマップ数ではプレイヤーに飽きが来てしまいます。
それを防ぐようにマップは充分な数が用意されてますし、ダンジョンの様相も
趣向が凝らしてあります。

ザコ戦にしてもオートバトルが用意されていて、ザコを相手にするには十分な
AIを構築しています。
(たまに回復ループに陥りますけど、そうなったら一回手動で操作してあげてください)
戦闘スピードもShiftキー押しっぱなしで早くなりますし、それでも遅いときは
「Q」キー押しっぱなしで、極早で決着がつきます。

村で取れる選択肢として、冒険で得たお金を払って様々な施設を開くことができます。
合成や宝くじ、畑やトレジャーオフィスの設置など、フラグが立てば好きなタイミングで
開設することが可能ですし、村ではありませんがミニゲームにも参加可能になります。

らんダン_カナちゃん

↑ 個性的なキャラぞろいの本作の中でも1・2を争う濃いキャラの合成師(妖精)。
アイテムを合成するとそのアイテムの説明と、おポンチトークが炸裂します



 おわりに 


「シルフェイド幻想譚」や「RUINA」でも見て取れたように、面白いゲームは
要素と要素のつながりが有機的です。
Aを実行するためにBをする必要に駆られるが、Bの経過でCという要素も満たせる。
そして個々の要素のAやBやCは、単体でも十分に面白い。

ダンジョン → レベルを上げてアイテム奪取 → 宿に泊まる

ありふれたサイクルの中に結果や行為に二重三重の意味をつけ、
アイテムコレクションと言う軸を中心に、沢山の面白さや仕掛け、質の高いご褒美を
用意・提供しているのが「らんだむダンジョン」と言うゲームの魅力です。
他には真似のできない素晴らしい所だと思います。
そしてそれを支えるプレイアビリティの高さや、しっかりとしたメインシステムの構築、
ゲームバランスや調整力なども見逃せないポイントです。

ボリュームのあるゲームなので、全部クリアするのに少しばかり時間をかける事に
なるかもしれませんが、費やした時間の元以上に楽しめる良作だと思います。

コタツに足を伸ばしながら、らんだむで魅力あふれるダンジョンにあなたも
挑戦してみてはいかがでしょうか。
トリコになる事請け合いのゲームだと思います。

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